成人の鼠径(そけい)ヘルニアとは(2016年4月掲載)

名古屋市立東部医療センターでは、千種ホームニュースに「紙上市民健康講座」を連載しています。
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成人の鼠径(そけい)ヘルニアとは


 鼠径ヘルニアとは、足の付け根あたりのお腹の壁が弱くなり、皮下にお腹の中身が出てきてしまう病気です。腸が出る事が多いので、俗に「脱腸」と呼ばれています。

 成人の鼠径ヘルニアは中高年以降の男性に多く、加齢変化によって体の組織が弱くなることが原因と考えられており、力仕事、立ち仕事、肥満、便秘、咳をよくする人に多いと言われています。筋肉を鍛えたり、薬を飲んだりして治る事はなく、治療方法は手術しかありません。脱出した腸が穴のところで絞められて血流障害が起こると(絞扼(こうやく)(せい)ヘルニアといいます)、腸が腐ってしまう恐れがあり、緊急手術が必要となるので注意が必要です。

 メッシュを使う手術が主流で、最近では腹腔鏡を使った手術が増えています。当院でも約4年前から腹腔鏡を使った手術を行っており、9割近い患者様が腹腔鏡手術を受けておられます。
 
 鼠径部にしこりができる病気としては他に、リンパ節の腫れや、動脈瘤や静脈瘤、軟部腫瘍などがありますが、一般の方にはなかなか分かりづらいと思います。鼠径ヘルニアは外科医であればほぼ診断できます。鼠径部という場所からくる恥ずかしさから受診をためらう方もあるかと思いますが、思い当たる症状がある方は、遠慮せずに外科を受診してみて下さい。

名古屋市立東部医療センター
第二消化器下科部長
 柴田 康行

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