脳卒中に対する心構え(2015年11月掲載)

名古屋市立東部医療センターでは、千種ホームニュースに「紙上市民健康講座」を連載しています。
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脳卒中に対する心構え

 脳内の血管が破れたりつまったりして、体が急激に変化することを「脳卒中」といいます。

 典型的脳卒中では片麻痺とともに意識障害を生じます。一方で、症状が1時間くらいで元通りになることがありますが、これも一過性脳虚血発作と呼ばれる脳卒中です。放置しておくと1ヶ月以内で5人に1人、1年以内で半数が重篤な脳梗塞を発生する危険な徴候です。

 1時間を越えて症状が持続する時は完成途中の脳卒中であり、脳出血か脳梗塞なのかを直ちに判断する必要があります。脳梗塞ならtPA という血栓溶解剤を使用できるかもしれません。うまく効くと、約 1/3の患者さんは後遺症なく元気になることができます。また早く使えば使うほど薬効が期待できます。強力な抗凝固薬なので適応が限られ、実際の患者さんの5% 程度しか対象になりませんが、tPA対象外の患者さんでも、血栓破砕・吸引などの再開通療法で良くなる可能性があります。いかに早期の軽い状態で、治療可能な病院までたどり着くかが、健康を取り戻せるか否かの分岐点です。

 結局のところ脳卒中は時間との戦いです。「あれ、おかしいな」と思ったら、救急車を呼ぶ心づもりが普段から必要です。

名古屋市立東部医療センター
脳血管センター長
橋本 信和

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