痛みとペインクリニック(2015年8月掲載)

名古屋市立東部医療センターでは、千種ホームニュースに「紙上市民健康講座」を連載しています。
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痛みとペインクリニック

 痛みは誰にとっても不快な症状ですが、「その人にしかわからない」と言われるように、客観的に評価することが難しい症状です。痛みの治療は「痛みの仕組み」をひも解くことから始まります。

 まずは、病気やけがによる「急性痛」なのか、きっかけがはっきりしない「慢性痛」なのかを判断します。前者であれば、病気やけがの治療が優先され、後者の場合は痛み自体が治療の対象、すなわちペインクリニックの対象になります。
 ついで、知覚神経の先端が刺激されて起こる「侵害受容性疼痛(とうつう)」なのか、それとも神経系の機能障害によっておこる「神経障害性疼痛」なのかを判断します。ペインクリニックの患者さんの多くは「神経障害性疼痛」が関係しています。神経障害性疼痛は痛み止めが効きにくく、慢性化しやすいことから、社会心理面の問題に発展し、これが逆に痛みの慢性化を助長します。

 ペインクリニックでは、からだの痛みの治療を通して、トータルペイン(全人的な痛み)を見据えていきます。治療の最終目標は、痛みをとることではなく、その人らしい生活をとりもどすことです。

名古屋市立東部医療センター
疼痛緩和支持治療科部長
春原 啓一

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