見逃がされやすい冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症 (2015年4月掲載)

名古屋市立東部医療センターでは、千種ホームニュースに「紙上市民健康講座」を連載しています。
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見逃がされやすい冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症

 狭心症は生活習慣病による動脈硬化で、心臓に酸素や栄養を運ぶ冠動脈が“アテローム”という物質で狭くなって生じる病気です。この病気は“ステント”という網目状の金属の筒等で治療が可能です。一方、狭心症の中には冠動脈の筋肉が一時的にけいれんして血流が低下したり途絶したりする型があり、「攣(れん)縮(しゅく)」と呼びます。アテロームの有無に関わらず、喫煙や精神的ストレス等が原因となり、東洋人に多い病気です。早朝の安静時に多く、軽い胸部不快感から激烈な胸部の圧迫感、しめつけ感を呈する場合もあり、重症例では突然死をきたします。冠動脈CTによる造影では診断がつかず、冠動脈に狭い所がなくても油断はできません。診断は発作時の心電図で典型的な所見があれば可能ですが、重症度の判定も兼ねて“カテーテル”という細い管を手首の動脈から入れて、攣(れん)縮(しゅく)の有無を薬物で調べるのが望ましいです。高血圧にも使うカルシウム拮抗薬が有効ですが、難治例では数種類の薬剤を要する場合もあります。


名古屋市立東部医療センター
第一循環器内科部長
伊藤 重範

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